位牌処分とは?タイミングや方法を現役僧侶がわかりやすく解説します
位牌(いはい)とは、故人の魂が宿る依り代とされる木牌のことです。仏壇で祀られることが多く、故人の戒名、俗名、没年月日、享年などを記し、故人の霊をお祀りします。
しかし、やむを得ず位牌を処分する必要が出てくることも考えられます。故人の魂が宿る位牌は、正しい手順でご供養することが大切です。
そこで今回は「位牌処分」の方法について現役僧侶が詳しく解説。位牌処分を行うタイミングや、処分方法についてご紹介します。
目次
1.位牌処分のタイミング
1.引越し・遺品整理・仏壇処分
2.弔い上げ
3.位牌の作り替え
2.位牌を処分する前の注意点
1.位牌に開眼供養(魂入れ)がなされたかどうか
2.宗派によっては位牌が必要ないことも
3.位牌の処分方法にはどんなものがある?
1.お焚き上げ
2.永代供養
4.位牌処分はどこに依頼する?費用感は?
1.お寺(菩提寺)
2.遺品整理業者
3.仏壇仏具店・葬儀社
4.供養・お焚き上げ専門店
5.郵送での位牌処分のご相談は、豊恩へ
6.まとめ|位牌供養は故人への敬意を込めて、丁重に
位牌処分のタイミング
位牌処分とは、故人の魂が宿る依り代の位牌を処分することです。お仏壇がない、跡継ぎがいないといった事情や、引越しや位牌の作り替えの際に位牌処分を検討することがあります。具体的には下記のようなタイミングです。
引越し・遺品整理・仏壇処分
引越しに伴い、位牌を処分するケースがあります。引越し先に仏壇を置くスペースがなかったり、引越しのタイミングで仏壇や仏具を見直したりした際に、処分を検討する方も少なくありません。仏壇は処分し、位牌だけ持って行く方も多いですが、仏壇とともにまとめて処分する方もいらっしゃいます。
また故人の遺品整理する中で、跡を継ぐ方がいない場合などは、位牌処分を検討されるケースもあります。
弔い上げ
弔い上げ(とむらいあげ)とは、仏教の年忌法要の一つで、故人の供養を終えるための最後の法要を指します。宗派や地域、各家庭の考え方により異なりますが、一般的には、三十三回忌または五十回忌を迎えた際に行われます。この時点で、「故人が仏となられた」「供養の区切りがついた」として年忌法要を終了し、故人を浄土へ送り出す意義があります。弔い上げの後、ご先祖様の位牌としてまとめてお祀りし、故人の位牌は処分されます。
位牌の作り替え
時間経過や災害によって位牌が傷んでしまった場合に、新しい位牌に作り替えることがあります。また、近年ではお家のインテリアに馴染む家具調な仏壇も作られており、仏壇を新しく替えるタイミングで一緒に位牌も作り替えるケースもあります。それらの場合、古い位牌は処分する場合があります。
位牌を処分する前の注意点
「位牌を処分しよう」と考えた際に、注意しなければならないことがあります。
位牌に開眼供養(魂入れ)がなされたかどうか
位牌を処分する前に、供養が必要かどうかを確認する必要があります。位牌を購入された際に開眼供養(魂入れ)が行われていた場合、お焚き上げを行う前に「お性根抜き」という供養を行う必要があります。お性根抜きは、閉眼供養・魂抜きなどと呼ばれることもあります。
位牌を祀る際には、魂入れがされていると考えるのが一般的です。
宗派によっては位牌が必要ないことも
浄土真宗では、他宗派と異なり「故人の魂が位牌に宿る」という考えがないため、本来、位牌を必要としません。「位牌を祀りたい」といったご要望から位牌を作ることもありますが、その際に開眼供養(魂入れ)が行われず、処分の際もご性根抜き(魂抜き)を行わないケースがあります。しかし、位牌・過去帳や仏壇処分の際には「遷座法要」というお勤めがあり僧侶がお勤め(供養)することが多いです。
真言宗・天台宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗・浄土宗・時宗・俗名位牌・水子位牌・他宗派などは、「位牌は故人の魂が宿る依り代」という考えがあるため、処分の前に必ずお性根抜き(魂抜き)が必要です。
位牌の処分方法にはどんなものがある?
故人の魂が宿る位牌を処分する際は、不適切な方法ではご親族とのトラブルになる可能性もあります。適切な方法を知り、ご自身の状況に合った方法を選択しましょう。
お焚き上げ
まず1つ目の方法が、お焚き上げです。位牌を供養するために、炎で燃やす儀式のことです。
お性根抜きされた位牌は、お焚き上げする事が可能になります。
お焚き上げは、形に残さずに位牌を処分する方法です。
永代供養
永代供養は、寺院や霊園に位牌を納め、供養してもらう方法です。「永代」と名が付いていますが、無期限で預かっていただけるわけではなく、期限が過ぎるとお焚き上げによる処分が行われる場合が多いです。期限はそれぞれ異なるため、納める際に確認しましょう。ご自宅での管理が難しくなった方や、遠方に引っ越す方、受け継ぐ人がいなくなった方に向いています。
こちらの方法は、形を残しながら、位牌を手放す方法です。
位牌処分はどこに依頼する?費用感は?
位牌処分を受け付けているところはいくつかあります。それぞれに特徴があるので、依頼先ごとの特徴と、どんな人に向いているかを合わせてご紹介します。
お寺(菩提寺)
お寺に依頼する場合、ほとんどのお寺でお性根抜きからお焚き上げまでを一括で行ってもらえます。そのため、「すべてお任せしたい」という方に向いています。また、弔い上げや作り替えのタイミングで位牌処分を行いたい場合は、それらの儀式と合わせてお寺に相談することも1つの方法です。
依頼する場合、お寺に伺う、もしくは僧侶を自宅に招いて行われます。ただし、宗派によってはお焚き上げのみでお性根抜きは行っていない場合もあるので、開眼供養(魂入れ)が行われた位牌を処分する際は注意が必要です。
費用は、あらかじめ示されていることもありますが、お布施としてお渡しすることが多くお寺によって様々です。相場としては、2万円〜6万円程度とされています。
遺品整理業者
遺品整理の際「位牌も処分したい」となった場合に、家財とともに処分ができます。しかし、お性根抜きなどの供養はできない場合がほとんどのため、前もってご自身でお寺に依頼する必要があります。費用は、処分対応のみで数千円〜数万円程度です。
仏壇仏具店・葬儀社
仏壇などの仏具を取り扱う店や、葬儀社でも処分を行っていることがあります。「仏壇を新しくしたい」といった際は、仏壇仏具店で古いものを処分することも考えられます。しかし、遺品整理業者と同じく、お性根抜きに対応できない場合がほとんどです。事前にお性根抜きを行っているか確認される事が多いですので、別途お寺などに依頼しましょう。
処分費用は、数千円〜3万円程度が一般的とされています。
供養・お焚き上げ専門店
供養とお焚き上げを行う専門の業者です。電話やネットから依頼し、位牌を宅配便で郵送すると、供養したのちお焚き上げを行います。お寺に足を運んだり、僧侶を自宅に招いたりする必要が無いため、「かかる時間や準備をなるべく軽くして、供養から処分まで任せたい」という方に向いています。「個別の供養か合同供養」「写真などを用いた報告の有無」などによって費用は変わり、数千円〜3万円程度です。
郵送での位牌供養のご相談は、豊恩へ
「故人やご先祖様の魂が宿る位牌を大切に供養したいが、相談できる人がいない…」そんなお悩みを抱えている方は、私たち豊恩にご相談ください。
豊恩は、現役の僧侶が運営する全国初の【お仏壇閉眼・供養じまい】専門店です。
ご家庭でお祀りできなくなった位牌・過去帳・ご本尊・ご遺影といった仏具を梱包してお送りください。寺院にて僧侶が丁寧にご供養・お焚き上げさせていただきます。
豊恩ではお位牌だけでなく、お仏壇に祀られているご本尊や過去帳などの仏具のお焚き上げ供養も任せる事ができるため、お仏壇から仏具を取り出した後は、ご自身でお仏壇終まいを進めていただく事もできます。
位牌・ご本尊を取り出したお仏壇は、処分業者に引き渡したり、解体を行ったりすることができますので「仏間が家に備え付けられており、位牌の数が多く供養が難しい」「特注の仏壇のため、家から運び出せない」といった場合も、お焚き上げが必要な位牌・仏具のみを供養することが可能です。
費用は一律1万円〜3万円(税込)。一点につき1万円のご供養料です。仏具の数が多くなっても上限3万円のご供養料となります。追加で費用がかかることがないため、費用の面でも安心してお任せいただけます。これは「料金に悩まず、丁寧にご供養していただきたい」という気持ちから、分かりやすい費用設定にさせていただいております。
ご供養を行うのは、資格を持った現役僧侶です。資格を持った僧侶とは、各本山が定める期間しっかりと修行を成し遂げたことを認められ、本山が所有する僧籍簿に名前が記載されている僧侶を指します。広くは知られていませんが、実は僧侶の中には普段僧侶としてのお勤めをしていない「自称僧侶」も存在します。豊恩では、普段から僧侶としてのお勤めを行っている正式な僧侶が供養を行いますので、安心してお任せいただけます。正しい手順を踏まえながら感謝の気持ちを持ってご供養させていただきます。
まとめ|位牌供養は故人への敬意を込めて、丁重に
今回は、位牌処分の方法や注意点について詳しくお届けしてきました。時代と共に、生活環境や習慣が変化する中で、位牌や仏具を手放さなければならないと考える方は少なくありません。「処分しても大丈夫なの?」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。しかし、大切なのは、故人様・ご先祖様への敬意や感謝の気持ちを持って、正しい作法で供養を行うことです。こうすることで、後悔なく安心した供養になると考えています。
私たち豊恩では、現役僧侶によるご供養・お焚き上げを行っています。ご供養を検討されているお位牌・仏具がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。
記事監修:現役僧侶 髙橋 慶雲
▼豊恩の位牌供養の詳細、流れはこちら
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